露点計に使用されているセンサーは、『水分が付着しやすく、離れにくい』特性があります。露点計にチューブを接続した状態では、チューブの内壁や接続継手に多くの水分が存在しており、数分間サンプルを流した程度では完全に除去できません。 パージに必要な時間は、露点温度、サンプル流量、導入配管の長さなどに影響するため、最適な時間は状況により異なります。 露点が上がってしまう場合は、パージ量が足りないということになります。流量を増やすか、パージ時間を延長する必要があります。 ポータブル型露点計の場合は、乾燥チャンバーが付いております。 パージの時間は、センサー周りを乾燥状態に保つ構造になっておりますので、測定前に余分な水分が付きません。 |
水分は周辺の水蒸気分圧に平衡する性質があります。これはガスの圧力とは全く関係の無い要素です。 右図のように、大気中にあるホース内が圧力0.1MPaでサンプルが流れている場合に、もしホースに亀裂があったらガスはその亀裂から漏れます。その際、ホースの外の水蒸気分圧は非常に高い状態、ホース内のそれは非常に低い状態、となりますのでガスが漏れている状況でも、水分の分子のみ逆流し、ホース内のガスに溶け込もうとします。これが水蒸気分圧の平衡です。 材質の特性により、例えばナイロン、ゴム、塩ビ配管などでは、水分が透過してしまいます。こういう要素を全て除かなければなりません。 金属配管やPTFE(テフロン)など、水分が透過しない、または極力透過し難い材質の配管をご使用下さい。 稀に、フィルター、流量計、圧力計、レギュレータ、金属継手などで、本来は問題無いはずの周辺部品が、微小な傷やパッキンの劣化などが原因で、水分測定に悪影響を及ぼす場合があります。 疑い難い要素ではありますが、そのような事例もございますのでご注意下さい。 |