露点が下がらない
課題・現象
高純度窒素(-70℃以下)を測定するため、ポータブル露点計を使用。
ボンベにレギュレータ等を設置、露点計にサンプリングチューブを接続して、露点を測定した。
チャンバーを開いた状態にしたところ、露点は-40℃くらいまで上昇し、じりじりとマイナスに動いていくが、なかなか応答しない。
2時間程度流すも-60℃くらいまでしか下がらず、やがてボンベは空に。
すぐに他のボンベを測定しても、状況は変わらず。
応答が良いと言われているポータブル型露点計を使用しても、こんな程度の応答なのだろうか。
もっと良い露点のはずだが…
【原因と解決策1】サンプル配管系統のパージ不足
露点計に使用されているセンサーは、『水分が付着しやすく、離れにくい』特性があります。
露点計にチューブを接続した状態では、チューブの内壁や接続継手に多くの水分が存在しており、数分間サンプルを流した程度では完全に除去できません。
パージに必要な時間は、露点温度、サンプル流量、導入配管の長さなどに影響するため、最適な時間は状況により異なります。
露点が上がってしまう場合は、パージ量が足りないということになります。
流量を増やすか、パージ時間を延長する必要があります。
ポータブル型露点計の場合は、乾燥チャンバーが付いております。
パージの時間は、センサー周りを乾燥状態に保つ構造になっておりますので、測定前に余分な水分が付きません。

【原因と解決策2】露点計1次側の周辺部品による影響
水分は周辺の水蒸気分圧に平衡する性質があります。
これはガスの圧力とは全く関係の無い要素です。
右図のように、大気中にあるホース内が圧力0.1MPaでサンプルが流れている場合に、もしホースに亀裂があったらガスはその亀裂から漏れます。
その際、ホースの外の水蒸気分圧は非常に高い状態、ホース内のそれは非常に低い状態、となりますのでガスが漏れている状況でも、水分の分子のみ逆流し、ホース内のガスに溶け込もうとします。
これが水蒸気分圧の平衡です。
材質の特性により、例えばナイロン、ゴム、塩ビ配管などでは、水分が透過してしまいます。こういう要素を全て除かなければなりません。
金属配管やPTFE(テフロン)など、水分が透過しない、または極力透過し難い材質の配管をご使用下さい。
稀に、フィルター、流量計、圧力計、レギュレータ、金属継手などで、本来は問題無いはずの周辺部品が、微小な傷やパッキンの劣化などが原因で、水分測定に悪影響を及ぼす場合があります。
疑い難い要素ではありますが、そのような事例もございますのでご注意下さい。




